山田支隊の兵力推計 [06] まとめ

山田支隊の兵力推計 第13師団
山田支隊の兵力推計ic
山田支隊の兵力推計 総目次
1. はじめに
2. 研究者の見解
3. 資料
4. 刊行資料の根拠につい
5. 兵力推計
6. まとめ
7. 参考資料

まとめ

 これまでの研究での山田支隊の総兵力については、板倉氏は千数百名とし、その他の研究者は二千名~二千数百名としてきた。一方、本稿での推計ではその数は3279名~4165名となり、これまでの研究からはるかに上回る数値となった。
 なぜ、この様に山田支隊の兵力数推定に大きな違いが出たかというと、これまでの研究では、山田支隊の主力部隊であった歩65の兵数のみをカウントするだけで、山砲19Ⅲ、騎17の兵数についてはカウントされなかったからだ。山砲19Ⅲ、騎17の兵数に関しては、おそらく資料が見つからなかったことから、推定する根拠に欠けていたことが原因だと思われる。
 今回の推計では、第13師団死傷表を利用することで、山田支隊編成(12/12)の約一ヶ月前(11/11時点)の兵数を確認することができた為、そこから山田支隊所属部隊の兵数の推定が可能となった。ただし、これも上海戦・羅店鎮警備の数値しか分からず、その後の追撃戦・江陰城戦に関しては大まかな推計とせざるを得なかった。この点は更なる資料発掘の必要性を痛感する点である。
 いずれにしても今回の推計で判明した数値は、板倉氏の推計をはるかに上回るものであることは明らかである。山田支隊の総兵数が少ない為、1万4777名の捕虜数をカウントすることは不可能だという板倉氏の主張は、その前提とした山田支隊の総兵数を相当過小に見積もったものであり、板倉氏は主張の前提を失ったと言わざるを得ないだろう。

05 兵力推計[前ページ]06 まとめ[次ページ]07 参考資料

コメント

タイトルとURLをコピーしました