南京軍事法廷

『谷寿夫に対しての判決文』

(要点のみ抜粋)

 〔谷寿夫が率いる第六師団は十二月十三日朝〕大軍を率いて入城し、中島(第十六師団)・牛島(第十八師団)・末松(第一一四師団)などの部隊と南京市各地区に分かれて押し入り、大規模な虐殺を展開し、放火・強姦・略奪を行った。(中略)

 中華門外の花神廟・宝塔橋・石観音・下関の草ケイ峡などの箇所を合計すると、捕らえられた中国の軍人・民間人で日本軍に機関銃で集団射殺された遺体を焼却、証拠隠滅されたものは、単耀亭など十九万人あまりに達する。このほか、個別 の虐殺で遺体を慈善団体が埋葬したものが十五万体余りある。被害者総数は三〇万人以上に達する。死体が大地をおおいつくし、悲惨きわまりないもであった。

笠原十九司『南京事件』P12