南京の状況----一九三七年十一月二十七日
海軍無線 DJ EB
特殊グレイ文(暗号文)ならびに平文電報
発信:南京
受信:一九三七年十一月二十七日
ワシントン国務長官、漢口・北平米大統領、上海米総領事館宛
第九六三号 十一月二十七日午後二時
三、市民の脱出は続いているが、市長の話では三〇万から四〇万の市民がまだ南京に残っているとのこと。
アチソン
『南京事件資料集 アメリカ関係資料』 P90
南京の状況----一月十日
受信:一九三八年一月十日
TRUE READING グレイ暗号・コード
暗号作成JMA
漢口大使館、ワシントン国務長官宛
第一〇号 一月十日午後四時
市内には、ここにいる少数の外国人グループのほかに、およそ二〇万人といわれる中国人難民が、いわゆる「安全区」に集結している。強い反対を受けなければ、アメリカ大使も中国政府にこのことを伝え、南京に対する無差別爆撃を控えるよう要請することが望まれている。
アリソン
『南京事件資料集 アメリカ関係資料』 P108
南京アメリカ大使館通信----エスピー報告
報告書作成 一月一五--二十四日
郵 送 一九三八年二月二日
T、十二月十日後の主な報告
南京の陥落を前にして、中国軍と市民の脱出は引きも切らなかった。人口のおよそ五分の四が市を脱出し、主要な部隊は武器・装備もろとも撤退していった。・・・・・・
南京の政治および経済状況
南京には政治・経済の実体は存在していないといってもよいかと思う。事実、南京は日本軍の野営地にほかならない。市の人口、およそ一〇〇万人のうち、現在二〇万−二五万人が残留し、そのほとんどが貧民階級の人たちである。大多数が「安全区」内の建物や臨時に設けた野営地にすし詰めとなっている。夜間は夜露の凌げる場所にかたまり、日中は安全区内の通りに群れをなして溢れでてくる。例えば上海路などは、日中、一マイルにわたりぎっしり埋まる。人々は食べ物や燃料を求めて出てきたり、なにをするでもなくただ立ち尽くしている。・・・・・・
『南京事件資料集 アメリカ関係資料』 P239,247
イギリス領事の南京虐殺に関する報告
JS グレイ暗号電報
発信:上海、海軍無線局経由
受信:一九三八年二月三日午後八時三〇分
ワシントン国務長官宛
中国人のうち、ほとんどが貧しい階級の人たちが安全区に集中している。人数は約二〇万人である。・・・・・・
二五万人の中国民間人の難民の問題は、二月四日までに解消されなければならない。彼らのほとんどは行く所もないし、生活を維持する手段をもたない。日本軍当局の早急なやり方は、騒動とさらなる虐殺をひきおこすだろう。・・・・・・
ガウス
『南京事件資料集 アメリカ関係資料』 P313
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