〈説明〉
本資料は、極東国際軍事裁判所判決文の付属書Aの極東国際軍事裁判所の設定(付属書A-4)を文字起ししたものである。原典は、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている「極東国際軍事裁判所判決〔第7冊〕付属書Aノ部」に所収されている。
掲載するにあたり、適宜、カタカナを平仮名に、旧漢字を新漢字に直した他は原典を再現している。文中の「(E-数字)」は、英文判決文のページ数に対応する。
〈本文〉
(E-16)
極東国際軍事裁判所判決
附属書A―四
枢軸諸国家の不法なる侵略戦争に反抗せる合衆国並に之が連合諸国家は戦争犯罪人は裁判に附せらるべきものなりとの意図の宣言を随時為し来りたるが故に
日本と戦争状態にありたる連合国の諸政府は一九四五年七月二十六日「ポツダム」に於て降伏条項の一として吾等の捕虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人に対しては峻厳なる正義に基き処罰を加ふべきことを宣言したるが故に
一九四五年九月二日日本東京湾に於て調印されたる日本の降伏文書に依り、日本側調印者は、天皇並に日本政府の命に基き且つ之を代表して、「ポツダム」における右宣言に規定されたる条項を受諾したるが故に
右降伏文書に依り、日本国家を統治する天皇並に日本政府の権能は、降伏条項を実施するため適当と認むる措置を執る権能を附与せられたる連合国最高司令官の権力下に服せしめらるるに至れるが故に
(E-17)
下名は連合国に依り日本軍隊の全面的降伏を遂行すべき連合国最高司令官として指名せられたるが故に
合衆国、「グレート・ブリテン」国及び「ソ」連邦は、一九四五年十二月二十六日「モスコー」会議に於て、日本に依る降伏条項の履行につき考究したる上、中華民国の同意をも得て、最高司令官が降伏条項を実施せしむるための一切の命令を発すべきことを合意したるが故に
然るが故に茲に連合国最高司令官たる本官、「ダグラス・マツクアーサー」は本官に附与されたる権限に因り戦争犯罪人に対し峻厳なる正義に基き処罰を加ふべき事を要求する降伏条項遂行のため左の通り命令し規定す
第一条 平和に対する罪又は平和に対する罪を含む犯罪に付き訴追せられたる個人又は団体員又は其の双方の資格に於ける人々の審理のため、極東国際軍事裁判所を設置す
第二条 本裁判所の構成、管轄及び任務は本官により本日承認せられたる極東国際軍事裁判所条例中に規定せられたる所に依るものとす
(E-18)
第三条 本命令中の如何なる事項も戦争犯罪人の審理のため日本又は日本が戦争状態にありたる連合国の如何なる領土内に設置せられ又は設置せらるべき他の如何なる国際、国内若くは占領地法廷、委員会又は其他の裁判所の管轄をも妨ぐることなきものとす
本、一九四六年一月十九日 東京に於て
本官の署名の下に之を発す
連合国最高司令官
陸軍元帥
ダグラス・マツクアーサー