〈説明〉
本資料は、極東国際軍事裁判所判決文の付属書Aの日本国政府条件附受諾に対する国務長官回答(付属書A-1-b)を文字起ししたものである。原典は、国立国会図書館デジタルコレクションで公開されている「極東国際軍事裁判所判決 〔第7冊〕付属書 Aノ部」に所収されている。
掲載するにあたり、適宜、カタカナを平仮名に、旧漢字を新漢字に直した他は原典を再現している。文中の「(E-数字)」は、英文判決文のページ数に対応する。
〈本文〉
(E-7)
極東国際軍事裁判所判決
附属書A ― 一 ― b
一九四五年八月十一日
謹啓
八月十日附貴翰の受領を確認致し、之が回答として、「アメリカ」合衆国大統領の指示に依り、「アメリカ」合衆国、「イギリス」連合王国、「ソビエツト」社会主義共和国連邦、中国の諸政府の為めに、貴政府により左記通告を日本政府宛通達せらるべく、貴下に御送附致すことを御通知申上ぐる光栄を有し候。
『「ポツダム」宣言の諸条件を受諾し、但し「該宣言が君主としての統治者たる天皇の大権を侵害する如何なる要求をも包含せざるものとの了解の下に」との申立を含めたる日本政府の「メツセージ」に関して、吾々の立場は左ノ如し。
『降伏の瞬間より、天皇及び日本政府の国家統治の権能は、降伏条項を実施するため適当と認むる措置を執る連合国軍最高司令官の権力下に服せしめらるるものとす。
(E-8)
『天皇は「ポツダム」宣言の諸規定を実施するに必要なる降伏条項を日本政府並に日本大本営により署名するの権限を与へ、且つ之を保証することを要求せらるべく、又凡ての日本の陸海空軍当局並にその所在の何処たるを問はず、これが支配下にある凡ての部隊に対し作戦行動を中止し武器を引渡すべき旨の天皇自らの命令を発すべく、且つ最高司令官が降伏条項を実行するに必要なりとするその他の命令を発することを要求せらるるものとす。
『降伏と同時に、日本政府は俘虜及び一般抑留者を指令通り連合国輸送船に乗船せしめ得る安全なる場所に移送するものとす。
『日本の最終の政治形態は、「ポツダム」宣言に従ひ、日本国民の自由に表明せる意志により確立さるるものとす。
『「ポツダム」宣言に述べられたる諸目的が達成さるるまで、連合国軍は日本に駐屯するものとす』
貴下に対し、改めて深甚なる敬意を表し申候。
「スイス」国臨時代理公使
マツクス・グラスリー殿
南京事件資料集