山田支隊・その他

第13師団
「 俘虜の取扱いに就いて」 戦闘詳報・戦闘に関する教示(12月19日付)

第13師団歩兵第116連隊
S12.10.21-S12.11.1 劉家行西方地区ニ於ケル戦闘詳報

その他
『 朝日新聞 』   37年12月17日

NEW 機関銃の耐久性能(多数弾連続発射後の諸現象)



俘虜の取扱いに就て
第13師団戦闘詳報戦闘に関する教示 (12年10月19日付)

11、 俘虜の取扱いに就て
  多数の俘虜ありたるときは之を射殺することなく武装解除の上、一地に集結監視し師団司令部に報告するを要す。又俘虜中将校は・・・・師団司令部に護送するを要す。此等は軍に於て情報収集するのみならず宣伝に利用する・・・・但し少数人員の俘虜は所要の尋問を為したる上適宣処置するものとす

秦郁彦『南京事件』p.69

 
第13師団歩兵第116連隊 S12.10.21-S12.11.1 劉家行西方地区ニ於ケル戦闘詳報

 もう一つは第十三師団の歩兵第百十六連隊の戦闘詳報で、「俘虜准士官下士官兵二九」として、「俘虜ハ全部戦闘中ナルヲ以テ之ヲを射殺セリ」(歩兵第百十六連隊「自昭和十二年十月二十一日至昭和十二年十一月一日劉家行西方地区ニ於ケル戦闘詳報」)とある。

秦郁彦『南京事件 増補版』p.68

 
朝日新聞 記事 37年12月17日 朝刊

『持余す捕虜大漁、廿二棟鮨詰め、食糧難が苦労の種』
[南京にて横田特派員16日]
両角部隊のため烏龍山、幕府山砲台附近の山地で捕虜にされた一万四千七百七十七名の南京潰走敵兵は何しろ前代未聞の大捕虜軍とて捕へた部隊の方が聊か呆れ気味でこちらは比較にならぬ 程の少数のため手が廻りきれぬ始末、先づ銃剣を捨てさせ附近の兵営に押込んだ、一個師以上の兵隊とて鮨詰めに押込んでも二十二棟の大兵舎に溢れるばかりの大盛況だ、○○部隊長が「皇軍はお前達を殺さぬ 」と優しい仁愛の言葉を投げると手を挙げて拝む、終ひには拍手喝采して狂喜する始末で余りに激変する支那国民性のだらし無さに今度は皇軍の方で顔負けの体だ。
それが皆蒋介石の親衛隊で軍服なども整然と統一された教導総隊の連中なのだ、一番弱ったのは食事で、部隊でさへ現地で求めているところへこれだけの人間に食はせるだけでも大変だ、第一茶碗を一万五千も集めることは到底不可能なので、第一夜だけは到頭食はせることが出来なかった。
部隊では早急大小行李の全駄馬を狩集めて食べ物を掻き集めている始末だ。
(以下略)

『南京大虐殺の研究』p.129


機関銃の耐久性能(多数弾連続発射後の諸現象)

陸軍歩兵学校編『機関銃教練ノ参考(分隊戦闘)第二巻』陸軍歩兵学校将校集会所発行、昭和13年3月20日(国会図書館デジタルコレクション所収)pp.64-71

多数弾発射に伴ふ諸現象の他参考事項
一、多数弾連続発射後の諸現象(三年式の実験値)
(一)銃身(腔中)熱度の関係
発射弾三百発迄は概ね一発につき一度の割にて増加、三百発以上は二発につき一度の割にて上昇す

(二)熱度と公算躱避
銃身冷却時の公算躱避を一とすれば
六〇〇――二〇〇〇発連続発射後熱したるまゝなれば
同じく冷却しても手入せざるときは
三、四〇〇――三、八〇〇発連続発射後

(三)初速の減度は著しからず

(四)金質には大なる影響なきも銃の命数には大なる関係を及ぼす

(五)多数弾発射に伴ひ規整子■分昼■を伸縮するを要する

(六)油槽の油は一杯に充填せば深さ三糎なり
多数弾発射後其消費量を点検せるに銃によりて大なる差あるも十連発射に要せる油量は概して一粍乃至六粍の深さを消費せり
油の消費量も亦銃の固癖なる如し(主として油導子同発條等の機能を差にるが如し)而して油を多く要する銃は発射に際し銃の油煙(熱のため油燃焼する薄煙)多きを以て概ね判定し得

(七)故障は発射弾多きに従ひ増加の傾向あり故に機会を得ば直に手入を行ふこと肝要なり(手入れ部参照)

(八)照準線は上方に偏するを以て約三連毎に修正するを要す

二、銃の冷却の手段
戦闘の後各種の手段を尽して銃の冷却を図るを要す而して各種の手段を尽すとは精神上の意を多分に含むものにして具体的の方法としては戦場に於ける実際の状態より考ふれば多数あるべきものにあらず左に若干の例を挙ぐ

(一)自然冷却
槓桿を引き遊底を開き、腔中の通風を良好ならしむ

(二)水冷却
冷却法中最も実用的にして又効果多きものとす其の要領左の如し
(1)予め準備せる水(或は水嚢、水筒等の水)を直接銃身を注ぎて冷却す
(2)雑布等を濡らしてつけ屡〃交換す
(3)右の如く雑布をかけて其の上より絶えず水をかくるを可とす
(4)戦闘後等にて附近に水あるときは其位置にて手にて水をかくるを可とす
(5)水冷却につき疑問を生ずるは熱したる銃身に冷水を注ぎて金質に差支なきやの件なり本件は金質に及ぼす作用寧ろ自然冷却よりも有利なりと称せらる

(三)草葉雪等による冷却
雪或は冷たき草葉等を直接銃身にあて冷す

(四)風による冷却
1、通風よき所に出して(戦闘中は斯くの如きことは不可能ならんも射撃中止間ならば為し得る場合あらん)冷す
2、銃尾機関を開放し風の流通を良好ならしむ
3、帽子其他所在の物を以て煽き風を送りて冷す

三、熱の発生と冷却の実験(三年式機関銃の実験値)
以上各種の方法を講じて如何なる程度に冷却し得べきや又は幾何の発射後素手にて持つに幾何の時間を要すべきや等は当時の気温、気象等の殊に風により著しく差異あるを以て一概に之を説明し難きも左に二、三の実験を揚げ参考に資せんとす
(1)三連発射後耐熱銃身覆を用ひて約三、四分後銃身を握り得
(2)五連(一五〇発)発射せるに銃身を握り得ず
(3)約六〇連(一八〇〇発)発射せるに煙草に点火し得るに至れり之を水にて冷却せるに七分にて銃身を持ち得るに至れり自然冷却に任するときは少なも三十分を経ざれば持ち得ざるべし
(4)二〇〇〇発発射せるに外部の熱二九〇度に登り自然冷却を待ちしに銃身を持ち得る迄約一時間を要せり

(四)手入、注油、各部の点検要すれば部品の交換に就て
機関銃は前述の如く数百否数千発の射撃にも抗堪し得べしと雖も発射に伴ひ火薬燼焔の累積、塵埃の附着等に因り故障を生起するに至るへきを以て射撃の間断を利用し絶へず重要部の手入を実施し以て故障の発生を予防せざるべからず若し戦況分解手入を許さざるときは約二〇連の発射毎に薬室を開き遊底の頭部薬室に塗油するを可とす然るときは幾分か故障を予防し得べし何となれば右の二ケ所は燼■の最も附著し易き場所なるを以てなり
油の消費量につきては前述せるが如き状態なるを以て油槽の油を充実することにも著意しあるを要す
射撃中銃の各部に欠損緩解、螺子の戻回等を生じ故障となること少からす特に瓦斯誘導螺の状態には留意を要す
之が緊定不十分なりし為弛緩して瓦斯漏を生じ又甚だしきは戻回して瓦斯「ポンプ」内に脱落せるが如き例あり又撃莖尖頭折損し折れたる尖端が円筒頭部撃莖室内にて動揺し「マクレ」を生ぜる例あり発射約二〇連にして閂子欠損せることあり
抽筒子「ばね」弱きため抽筒子脱出し円頭と「ばね」との間に介在して故障を生ぜることあり又脱管の結果雷管が円筒頭部室に付着し突込を生ずることあり
舌形板の端末に反起を生じ或は下方に曲りたるため保弾板の前端引かかりて装填不能を生ずることあるを以て注意を要す
要するに射撃に際しては射撃の中止間と実施間とを問はず絶えず各部の機能爆等音に注意し又打殻薬莢を点検し要すれば銃の部品交換を行ひ以て故障の絶滅を期せざるべからず戦況中に於てもなし得れば地形を利用し分隊長以下協同して手入、点検を行ひ且戦ひ且手入するの要領を会得するに至りて初めて分隊は戦闘教練に慣熟したりと称し得べきなり



参考資料

  • 『南京大虐殺の研究』編者洞富雄・藤原彰・本多勝一、晩聲社
    (1992年5月1日初版第1刷発行)
  • 『南京事件』秦郁彦、中央公論者
    (1986年2月25日初版、1998年9月20日19版)
  • 『南京事件』秦郁彦、中公新書、中央公論社
    (1986年2月25日初版、2007年7月25日増補版発行)
  • 陸軍歩兵学校編『機関銃教練ノ参考(分隊戦闘)第二巻』
    陸軍歩兵学校将校集会所発行、昭和13年3月20日(国会図書館デジタルコレクション所収)